静岡の和食処

一月の旬の食材

魚介類

アカムツ
「ノドグロ」ともよばれる高級魚です。
「アカムツ」とは赤い色をしたムツの意味で、「ムツ」の語源は、「脂っこい」ことを「むつっこい」「むつこい」「むっちり」「むつごい」というから来ています。
アカムツとよく似た魚に「クロムツ」や「本ムツ」などがありますが、一見アカムツの黒いバージョンのように見えて実は別のグループになり、あちらの方が「ムツ」という仲間では本家筋に当たります。
アカムツの主な成分とその効能
アカムツは、脂質含有量が多く、鮪のトロにも匹敵するほどです。
また、脂溶性ビタミンのAとDの栄養効果が期待できます。
カリウム
高血圧 心筋梗塞 筋力強化 便秘 むくみ
カルシウム
骨軟化症 骨粗しょう症 自律神経失調症 不眠症 精神安定
ビタミンB1
脚気予防 疲労回復 ストレス解消 肝臓 脳 神経痛 肩こり、腰痛、便秘
ビタミンD
骨粗しょう症 虫歯 目 筋肉 ホルモンバランス 糖尿病 ガン予防

蝦夷磯鮎並(えぞいそあいなめ)
三陸地方で「どんこ」と呼ばれているもので、「あいなめ」という名が付いていますが、一般的な鮎並(あいなめ)が笠子(かさご)の仲間なのに対し、こちらは別品種の鱈の一種になります。
ブヨブヨと脹れた腹と不つり合いに貧弱な尾、 どす黒くヌルヌルした肌はどう見てもおいしそうには見えませんが、 淡白でトロッとした白身のおいしい魚です。
特に冬は脂がのり、大きな肝も鮟鱇(あんこう)に比較されるほど美味。
気仙沼では恵比寿講(大漁や商売繁盛を祈願する恵比寿・大黒の祭り)に供えられる大事な魚だそうです。
蝦夷磯鮎並の主な成分とその効能
ミネラル・ビタミン類など、突起したものはありませんが、肝は高たんぱくでミネラル・ビタミンをバランス良く含んでいます。
また、白身で淡泊な味は、産後の肥立ちに良いとされ、体力回復の料理として食べられてきました。

寒鰤(かんぶり)
出世魚の代表である鰤は、成長段階や季節によって成分に差がありますが、注目すべきは脂肪に含まれるEPA・DHAの豊富さ。
特に、「寒鰤」と呼ばれるこの時期の鰤は、脂のりも良く、栄養の宝庫です。
鰤という名前は、年を経た魚の意味で経魚(ふりうお)と呼ばれていたのが、「フリ」に略され、それが濁音化されて鰤になったという説や、炙り食うの「アブリ」から鰤に変化したという説など、様々な由来がありますが、正確な事は分かっていません。
寒鰤の主な成分とその効能
鰤の持つヒスチジンというアミノ酸は、魚の旨みを引き出し、焼いた時に香ばしさを増す物質で、免疫を強化する白血球の生成を促進したり、ストレスを軽減したり、脳細胞を活性化するなどの作用があります。
IPA
血液サラサラ 動脈硬化 高血圧 コレステロール抑制 脳卒中 心筋梗塞 ガン予防
EPA
動脈硬化 脳梗塞 心筋梗塞 コレステロール抑制 血液サラサラ 高血圧
カリウム
高血圧 心筋梗塞 筋力強化 便秘 むくみ
タウリン
肝臓 高血圧 コレステロール抑制 血液サラサラ 動脈硬化 肉体疲労 眼精疲労
DHA
コレステロール抑制 精神安定 動脈硬化 白内障 不眠症 痴呆症 視力回復 免疫力アップ 記憶力向上 生活習慣病
パルミトレイン酸
血管強化 動脈硬化 老化 記憶力向上
ビタミンD
骨粗しょう症 虫歯 目 筋肉 ホルモンバランス 糖尿病 ガン予防
ビタミンE
抗酸化作用 動脈硬化 老化 美肌 疲労

公魚(わかさぎ)
極寒の中、氷の張った池や湖に出て、開いた穴から釣り糸を垂らして釣る公魚釣りは北海道や本州の山間部の湖の冬の風物詩となっています。
漢字で「公魚」と書くのは、かつての常陸国麻生藩が徳川11代将軍徳川家斉に年貢として公魚を納め、公儀御用魚とされたことに由来しています。
主な成分とその効能
公魚は、丸ごと食べるので栄養の摂り方も効率がよく、健康食品としての評価も非常に高いです。
EPA
動脈硬化 脳梗塞 心筋梗塞 コレステロール抑制 血液サラサラ 高血圧
カリウム
高血圧 心筋梗塞 筋力強化 便秘 むくみ
DHA
コレステロール抑制 精神安定 動脈硬化 白内障 不眠症 痴呆症 視力回復 免疫力アップ 記憶力向上 生活習慣病
ビタミンB12
貧血 腰痛 不眠症 動脈硬化
ビタミンD
骨粗しょう症 虫歯 目 筋肉 ホルモンバランス 糖尿病 ガン予防
ビタミンE
抗酸化作用 動脈硬化 老化 美肌 疲労
リン
血液サラサラ 肥満 糖尿病 腎臓

野菜

黒豆
お節に欠かせない黒豆は、大豆の一種で、皮が黒いため黒豆といわれています。
したがって黒豆は大豆と同様、栄養分も豊富に含まれており、食料の乏しかった昔、黒豆は貴重なたんぱく源として重要な食品でした。
黒豆の主な成分とその効能
黒豆に含まれている微量のサポニンは、せきを止める作用があり、声がかれた時にも良いとされています。
また、「百薬の毒を解く」と言われている通り、黒豆には解毒作用があり、腎臓に働きかけてむくみをとります。
アントシアニン
動脈硬化 抗酸化作用 抗血栓 目疲れ 視力回復
サポニン
去痰 ガン 肝臓病 血行促進 高血圧 抗血栓 抗酸化作用 コレステロール抑制 動脈硬化 肥満 毛髪(抜け毛、薄毛など) 老化
リノール酸
高血圧 コレステロール抑制 精力 動脈硬化 痴呆症 老化

慈姑(くわい)
慈姑は大きな芽をつけることで、「芽が出る=めでたい」と縁起を担いでお正月のおせち料理に用いられます。
中国原産のオモダカ科の水性野菜で、見た目は里芋に似た球形ですが、蓮根と同様に湿田で育つ地下茎を食用にします。
慈姑の主な成分とその効能
慈姑は、さつまいもの約4倍、里芋の約2倍のたんぱく質を含んでいる、高たんぱく野菜です。
アスパラギン酸
疲労回復
コリン
動脈硬化 高血圧 脳
たんぱく質
免疫力強化 筋肉疲労 筋肉痛 筋肉、筋力強化 骨粗しょう症 毛髪(抜け毛、薄毛など)
ベタイン
肝機能

蓮根
蓮根は、大賀一郎博士が遺跡から発見した2000年前の古代の蓮の種子を発芽させたことから始まります。
その強い生命力から、蓮の実や蓮の地下茎である蓮根を食べるとスタミナ強化に役立つという人も一部にいますが、とんだこじつけです。
蓮の実には、炭水化物とたんぱく質が含まれ、滋養にはなりますが、それ以上のものはありません。
蓮根は、主に炭水化物で、ほかにアミノ酸、ビタミン類、ミネラル、繊維も含みます。
蓮根の主な成分とその効能
蓮根は、下痢止め、扁桃炎や歯痛のうがい薬などに利用されていますが、これは蓮のタンニン(渋み)の消炎、収れん、止瀉(ししゃ)の作用によるものです。
カテキン
花粉症 ガン 高血圧 抗酸化作用 殺菌作用 糖尿病 痴呆症
カリウム
高血圧 心筋梗塞 筋力強化 便秘 むくみ
ムチン
アレルギー疾患 動脈硬化 便秘 風邪 胃腸病 胃潰瘍

果物

黄柚子
柚子は、ミカン科ミカン属に属している常緑植物の果物です。
季節によって、果皮が熟していない緑色の青柚子と、よく熟した黄色の黄柚子があります。
柚子は、現在では日本各地で栽培されていますが、原産は中国で、日本に入ってきたのは奈良時代か平安時代頃といわれています。
柚子は、実をつけるのには大変長くかかる木で、ことわざに「桃栗三年柿八年、枇杷は九年で生りかかり、柚の大馬鹿十六年」などと言葉があるくらい、植えてから実を収穫できるまでの期間が他の木に比べて長い年月を要します。
黄柚子の主な成分とその効能
蓮根は、下痢止め、扁桃炎や歯痛のうがい薬などに利用されていますが、これは蓮のタンニン(渋み)の消炎、収れん、止瀉(ししゃ)の作用によるものです。
クエン酸
利尿作用 ストレス 肝臓病 筋肉痛 肩こり 食欲増進 精神安定 疲労回復
シトラール
抗菌 殺菌 集中力向上 ストレス 精神安定 リラックス
ビタミンC
抗酸化作用 活性酸素除去 過酸化脂質生成抑制 美肌 動脈硬化 コレステロール抑制 糖尿病 コラーゲン合成 抗ストレスホルモン生成 疲労 抗ガン作用 抗ウイルス作用 免疫力アップ L-カルニチン合成 貧血

文旦
文旦の原産地は、中国、台湾です。
土佐文旦、水晶文旦、本田文旦などがあり、夏みかんやグレープフルーツも文旦の血をひいています。
名前は、江戸中期にこの果実をもたらした清国船の船長、謝文旦に由来していると言われています。
文旦の主な成分とその効能
文旦の果皮には、オーラプテンという成分が一般的に食べられる柑橘類の中でも特に多く含まれており、皮膚ガンなどの発ガン制御効果があります。
GABA
動脈硬化 更年期障害 精神安定 肝機能 肥満 不眠症 痴呆症
カリウム
高血圧 心筋梗塞 筋力強化 便秘 むくみ
ビタミンC
抗酸化作用 活性酸素除去 過酸化脂質生成抑制 美肌 動脈硬化 コレステロール抑制 糖尿病 コラーゲン合成 抗ストレスホルモン生成 疲労 抗ガン作用 抗ウイルス作用 免疫力アップ L-カルニチン合成 貧血

その他

鰆(さわら)の御神酒(おみき)焼き
食材に酒粕(さけかす)をのせて焼いたものを「御神酒焼き」と言います。 昔から、酒は「百薬の長」と呼ばれていますが、日本酒の薬効成分の多くは、麹(こうじ)に含まれており、麹がそのまま残っている酒粕には、億の薬効が期待できるのです。
最近では、酒粕に含まれる沢山の繊維質や豊富な栄養、機能性が着目されています。そんな酒粕を使った鰆の御神酒焼きを、ヘルシーに美味しく召しあがってみませんか?
鰆の主な成分とその効能
鰆は、色素が薄く、白濁して見えることから白身魚と思われがちですが、実は、赤身魚です。
鰆のDHAは、イワシやサンマより多く、血液をサラサラにして血栓の予防やガンの生成を抑制してくれます。
カリウム
高血圧 心筋梗塞 筋力強化 便秘 むくみ
たんぱく質
免疫力強化 筋肉疲労 筋肉痛 筋肉、筋力強化 骨粗しょう症 毛髪(抜け毛、薄毛など)
ナイアシン
肝臓病 血行促進 精神安定 糖尿病 脳 二日酔い 不眠症 毛髪(抜け毛、薄毛など) 美肌
ビタミンB2
脳 目 毛髪(抜け毛、薄毛など) 口内炎 鼻炎 咽喉頭炎 消化不良 胃炎 大腸炎 下痢 角膜炎 脂漏性湿疹 神経痛 不眠症 頭痛 めまい 肉体疲労 体力減退、肝機能不全
ビタミンD
骨粗しょう症 虫歯 目 筋肉 ホルモンバランス 糖尿病 ガン予防
リン
血液サラサラ 肥満 糖尿病 腎臓
酒粕の主な成分とその効能
自然成分の宝庫、それが酒粕です。
また食物繊維も豊富で、リンゴ100gに対して6倍の量が含まれています。便秘の方は、1日に大さじ1杯の酒粕を食べるとよいでしょう。
カルシウム
骨軟化症 骨粗しょう症 自律神経失調症 不眠症 精神安定
たんぱく質
免疫力強化 筋肉疲労 筋肉痛 筋肉、筋力強化 骨粗しょう症 毛髪(抜け毛、薄毛など)
食物繊維
便秘 歯 肥満 動脈硬化 心臓病予防 コレステロール抑制 糖尿病 高血圧 整腸作用 虫垂炎予防 大腸ガン予防 痔
鉄分
貧血 肉体疲労 頭痛 立ちくらみ 動悸 息切れ 肩こり 不眠症 冷え性
ナトリウム
高血圧 筋肉 心筋梗塞 消化吸収 神経伝達 ビタミンB1
脚気予防 疲労回復 ストレス解消 肝臓 脳 神経痛 肩こり、腰痛、便秘
ペプチド
高血圧 コレステロール抑制 免疫力アップ
リン
血液サラサラ 肥満 糖尿病 腎臓

他月の食材
睦月(1月)  如月(2月)  弥生(3月) 卯月(4月) 皐月(5月)  水無月(6月)
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